オフィス探しノウハウ 2020年2月29日

コワーキングスペースのメリット・デメリットを体験を通して解説

コワーキングスペース

怒涛の勢いで日本進出を果たし、あっという間にコワーキングスペースの代表格に上り詰めたWeWork。

ニューマンCEOの退任劇やソフトバンク・ビジョン・ファンドの追加投資などで2019年はコワーキングスペースという言葉が世の中を駆け巡った年でしたね。

ところで、このコワーキングスペースという形態は、これまで一般的なオフィスで働いてきたビジネスパーソンからすると、ややイメージがつきづらいかも知れません。

そこで、この記事では、そもそもコワーキングスペースとはどんな形態を意味するのか、一般オフィスとの違いは何か、そこで働くメリット、デメリットは何かについて、スマカリというサービスを開始して色々なコワーキングスペースを見てきた僕の体験を通して感じたことをまとめてみることにしました。

コワーキングスペースは特徴を理解して利用すれば、とても魅力的なワークスペースになり得るため、是非参考にしてください。

そもそもコワーキングスペースとは?

コワーキングスペースは「Working Space(職場)」という言葉に、「Company(会社・仲間)」や「Co-Founder(共同創業者)」などに使われている「一緒に」を意味する「Co」という接頭辞が付いた言葉です。

つまり、「他社の従業員と同じ環境で働く場所」という意味です。

一般的にコワーキングスペースは、デスクワークや打ち合わせができる広い共有スペースがあり、そのスペースを他社と共有して使う形態をいいます。

デスクや椅子、プリンター、会議室などは初めから備わっていることが多いです。

ただ、コワーキングスペースを運営している事業者は都内で300社を超えており、細かいサービス形態は様々です。

詳細は以下の記事でご紹介するとして、まずは大雑把な分類をご紹介したいと思います。

コワーキングスペースを3つに分類する

ここでは、3つの大きな分類を紹介します。

個室の有無

Key Station Office 五反田 の写真。手前がコワーキングスペース、奥が個室。

他社と共同で利用できる広いコワーキングスペースだけが用意されている場合と、それに加えて自社専用の個室が用意されている場合があります。

コワーキングスペースはコミュニケーションが活性化されたり、リラックスしてアイデアを出しやすい環境が整っていることが多いのですが、セキュリティの問題でどうしても個室が必要になる場合があります。

そういう場合は個室が併設されているスペースを利用するのが良いでしょう。

なお、個室の利用料金はコワーキングスペースの利用料金とは別途かかる場合が多いです。

コワーキングスペース内の固定座席の有無

MID POINT 大塚 のブース。固定座席として契約することが可能です。

他社と共同で利用できる広いコワーキングスペースの中で、自分専用の席を確保することができる場合があります。

毎回異なる席で仕事をするのを避けたい方や、座席が空いていないことを懸念する方はこのサービスがある企業と契約することをおすすめします。

なお、コワーキングスペース運営会社は座席が全て埋まってしまうことがないように調整しながら契約を進めていますので、「行ってみたら座席が全て埋まっていてどこにも座れない!」という事態はかなり稀だとは思います。

複数拠点の利用可否

CROSSCOOP 新宿AVENUE のコワーキングスペース。他拠点のスペースも利用可能です。

コワーキングスペースを複数拠点展開している会社の中には、一つの拠点で契約すれば、他の拠点も利用できる、というサービスを提供している場合があります。

営業などで外出が多いビジネスパーソンは、空いた時間でカフェで仕事をしたりする場合が多いと思いますが、その際にコンセントを利用できるのかを調べたり、席が空いてなかった場合に別の場所を探したりするのは面倒ですよね。

そういう方は複数拠点の利用が可能な会社と契約すれば便利になるでしょう。

コワーキングスペースのメリット

さて、コワーキングスペースの特徴やざっくりした分類をご理解いただいたところで、次はコワーキングスペースで働くことのメリットとデメリットを、僕の実体験を通して解説したいと思います。

1人当りの賃料総額が安くなる場合が多い

一般的なオフィスを借りる場合は、賃料以外に、敷金、礼金、仲介手数料、オフィス家具代、OA機器代、退去の際の原状回復費などの支出が発生するのが一般的ですが、コワーキングスペースはこれらが発生しないことが多いです。

これは、コワーキングスペースというビジネスの構造的メリットがあるからです。つまり、1つの空間を複数人で利用するため、オフィス運営会社としては空間を作ることに対する効率よくサービスを提供できるのです。

そのため、利用者は低価格でスペースとサービスを利用することができます。

ただし、アクセス、居住性、ブランディングなどに特別な付加価値を乗せて提供している会社もあり、そこは一概には安くなるとは言えない場合がありますので、注意が必要です。

コミュニケーションが取りやすい設計になっていることが多い

閉鎖的空間と比較して、コワーキングスペースはリラックスして仕事や休憩中のコミュニケーションが取れる環境が整っている場合が多いです。

例えば、座り心地の良いソファーが用意されていたり、うっすらとカフェ風のBGMが流れていたり、暖色系のライトが採用されていたりします。

現代は知識労働の時代ですので、コミュニケーションを起点とした仕事のスタイルは大変重要と考えるビジネスオーナーも増えており、コワーキングスペースが人気になる理由の一つとなっています。

採用活動などに寄与する場合がある

創業したての中小企業やベンチャー企業は、使える資金に限界がありますので、固定費となるオフィス環境にはなかなか投資しにくいというのが実態だと思います。

しかし、採用を考えると、都心に近い方が良い、駅近が良い、先進的でオシャレな雰囲気のオフィスが良い、などと考えることでしょう。この環境を一般的オフィスで実現しようとすると賃料が高くなるばかりでなく、内装を整える施工費だけでも相当な金額になってしまいます。

コワーキングスペースを利用すれば、これらの要件を満たした場所を低コストで利用できる場合があり、採用活動に有利に働く場合があります。

若くて優秀な人材はフラットで開かれた空間を好む傾向も強いように思いますので、有力な選択肢になると思います。

契約期間や契約スペースが柔軟な場合が多い

一般的なオフィスの場合は契約期間が年単位であったり、退去する場合も半年前に通知する必要がある、など、柔軟性に乏しい傾向があります。

また、当然ですが、一般的なオフィスはそこを退去したら、別の場所を新たに探す必要があります。

一方、コワーキングスペースは契約期間が数ヶ月から可能(場所によっては1ヶ月も可能)で、かつ、退去時の通知も1ヶ月前通知で良い場合が多いです。

また、コワーキングスペースから併設されている個室の契約に変更することや、その逆もできたりと、柔軟に契約を変更することができます。

成長中の企業は従業員数の増減、資金力の増減に大きな幅があり、かつ、見通しが立ちにくいことが多いと思いますので、そういう会社はコワーキングスペースを利用するとメリットを享受できる場合があります。

コワーキングスペースのデメリット

上記のように魅力がたくさんのコワーキングスペースですが、デメリットもあるように感じていますので、僕なりに感じることを記載しておきます。

電話での営業活動はしにくいかもしれない

コワーキングスペースは他社と共有して利用するスペースのため、周囲に配慮する必要があります。

そのため、テレアポのための架電やベルフェイスなどを使った商談などは注意が必要です。

場所によっては電話専用エリアが用意されている場合がありますので、そこを利用することも可能ですが、日常的に電話での営業活動をする企業は、いちいち電話専用エリアに移動するのも面倒なので、初めから併設されている個室や、レンタルオフィスなどの自社専用スペースを借りた方が良いかも知れません。

特に、起業してすぐは営業活動に力が入ることが多いと思いますので、ここをきちんと抑えた上でオフィス探しをしましょう。

集中力低下を感じる人もいるかもしれない

メリットの裏返しなのですが、開かれた空間が逆に集中力を奪うと感じる人もいるかも知れません。

これは僕個人の勝手なイメージですが、仕事の中身として「注意を要する作業」が多い方や、物静かな方は、周囲で人の声がしたり、音楽が流れていたりすると集中できないと感じる傾向があるように思います。

これを防ぐ方法としては、内覧のときに環境音に注意してチェックしたり、可能な限り色々なパーソナリティを持った人と一緒に内覧に行き、様々な角度から検討をすることがおすすめです。

コミュニケーションが活性化されるとは限らない

当然ですが、コミュニケーションは環境が整えば活性化されるかというと決してそうではなく、人と人の相性、資質、互いのモチベーションなどが大きく関係してきます。

コミュニケーション活性化を主な目的としてオフィス移転を考える場合は、もう少し広く、長い視点で課題を捉え直した方が安全かも知れません。

コミュニケーションを活性化する方法には例えば、採用戦略や社内啓発キャンペーン、評価制度の変更などが考えらます。

それらを総合的に捉え直し、複数ある施策の1つとしてオフィス移転を入れ込む、という考え方がオススメです。

オフィスによる自社独自のブランドイメージを築きにくい

コワーキングスペースはあらかじめ環境が用意されていることが多いため、自分たちで自由に内装を設計したり施工することは基本的にはできません。

そのため、オフィスを活用した自社独自のブランドイメージは築きにくいと言えるでしょう。

「ブランドイメージを高めるために付加価値の高いコワーキングスペースに移転したが、自社独自のブランドが作れないことに気づき退去した」という事態にならないよう、ブランディングの目的と方向性を社内でしっかりと考えてからオフィス探しをすることをオススメします。

まとめ

いかがでしたのでしょうか。何事もデメリットは考えられますが、総合的に見てメリットの方が大きいと判断できれば、コワーキングスペースは有力な選択肢になると思いますので、是非検討して見てください。

著者:Jin Nakamura

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